先日、Twitterのあるかたの呟きで「TOHOシネマズ名古屋ベイシティ」が11月30日に閉館したことを知りました。
この映画館に初めて行ったのは、ちょうど10年前の2010年。観たのはヘンリー・セリック監督のストップモーション・アニメーション映画『コララインとボタンの魔女』の吹替版でした。
その後も何度も足を運んでさまざまな映画を観てきましたが、港の近くにあるシネコンで僕の家からは結構距離があり、乗り継ぎなど少々面倒なところもあるため「通った」と言えるほどの回数ではなくて、だから常連客ぶることはできないんですよね。
ただ、2017年からもうちょっと近くの映画館でやってくれるようになるまでは「午前十時の映画祭」をここでしかやってなかったのと、他にも時々ここでしか上映されない作品があったので、そういう場合に来ていました。
いつ来ても混んでたことはなくて(平日ばかりだったから土日祝日はどうだったかわかりませんが)、広い館内はいつも暗くて人もまばらでした。
これまでにゲストで何人もの監督や出演者が訪れたそうだけど、そういう舞台挨拶に行ったことはないし、言っちゃ悪いけどなんでこんな辺ぴなところを選んだんだろうと今もって不思議(街なかじゃないからお客さんが大勢押しかけてきて大混雑するのを避けられたのかも)。
それぐらい街の中心地からは離れてるんですよね。車がないと不便だし。だから公共交通機関使ってる僕は15分に1本来る電車に乗って行ってましたが。1本乗り遅れると映画に間に合わなくなる緊張感が常にあった。
最後に観たのは去年の是枝裕和監督の『真実 特別編集版』。
僕が住んでるところから普通に行ける範囲でTOHOシネマズはここしかなかったから、ここが閉館するともう今後TOHOシネマズに足を運ぶことはなくなります。
正直、TOHOシネマズに特に強い思い入れはないんですが、それでも映画館がなくなるというのは寂しいものです。
そういえば、名古屋市内でちょっと前の公開作品を上映する二番館だった「キノシタホール」が今年の4月にコロナ禍のためひっそりと閉館していました。とても小さなスクリーンで僕はほとんど行ったことはなかったけれど、80年代頃からあった貴重な映画館がなくなってしまったのはやはり残念です。
星ヶ丘三越の中にあった「三越映画劇場」も、休館中なのかそれとも完全に営業をやめてしまったのか断わりが一切ないまま、ある時期からまったく映画を上映していません。※その後、上映を再開している模様。
思えば、2010年には名古屋駅前にあった「ピカデリー」が、2012年には「ゴールド・シルバー劇場」もなくなったし、歴史のあった映画館はほとんど姿を消しました。
同じく名駅近くの「シネマスコーレ」や新栄町の「名演小劇場」、今池の「名古屋シネマテーク」は頑張ってますが。
偉そうに懐古できるほど多くの映画館に行ってないんだけど、それでも営業しててくれることでどこか安心感を得られてもいた。行こうと思えば行ける場所に映画館があるのって、ありがたいことです。
だって、映画館がなくなっちゃったら僕はほんとに困るもの。映画は映画館でこそ観たいから。家を出て帰ってくるまでが映画鑑賞です(^o^)
以下は、TOHOシネマズ名古屋ベイシティで観た映画のリストです。
2010年
『コララインとボタンの魔女』
2011年
『モールス』
『ピラニア3D』
2013年
『テッド』
2014年
『ベン・ハー』
『オズの魔法使』
2015年
『幕が上がる』
『ラストエンペラー』
『キングスマン』
『ヴィジット』
2016年
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
『七人の侍』
『永い言い訳』
2017年
『ハクソー・リッジ』
2019年
『真実 特別編集版』
10年間で25本。思ってた以上に多くなかった。
クロエ・グレース・モレッツ主演の『モールス』は2回行って計4回観た覚えがある。
ももクロ主演の『幕が上がる』も2回ぐらい観たんじゃなかったかな。
『アメスパ2』は、街の中心地のシネコンが満席だったので、いつ行っても空いてるこの映画館へわざわざ出向いた。案の定空いてましたね。快適でした。
『ゴジラ』や『七人の侍』を大きめのスクリーンで観られたのが嬉しかった。
『キングスマン』をここで観たことは忘れてました。なんでだろう。他のもっと近場の映画館でもやってたと思うけど。あるいは、大きなスクリーンで観たかったのかな。
『トランボ』や『永い言い訳』は、確か他のお目当ての映画とついでにハシゴしたんだろうと思いますが。もうわずか3~4年前のことでも忘れかけてるなぁ。
『コラライン』で初めて足を運んで以来、最初の頃は1年に1~2本程度(2012年は一度も行ってない)だったのが2014年に急に本数が増えて、しばらく似たような本数が続いて、17年にまた激減、18年は1本も観てなくて、19年も先ほどの『真実 特別編集版』のみ。そしてそれが最後の鑑賞作品に。
17年から、より近場の映画館で「午前十時の映画祭」が始まったので、無理して朝早くから時間も交通費もかかる遠くのシネコンまで行く必要がなくなったんですよね。
それでもたまにほんとにここでしかやってないものがあって、しょうがないなー、みたいな感じでいそいそと出かけていったのでした。
すぐ前にあるイオンモールでよく昼食を取った。
広い場所に人けが少ないだけに、「独り映画」が結構こたえましたが^_^; でも豪華な気分と孤独感がイイ感じにブレンドされて、他の映画館ではなかなか味わえない独特の雰囲気がありました。
閉館することがわかってたら、その前に一度ぐらい行っといたんだけどなぁ。
映画は映画館の想い出とともにある。想い出をありがとう。