旧名古屋ボストン美術館で開催中の「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってきました。
ここを訪れるのは2018年の最終展以来。
閉館後もこういった形で美術展を催すこともあるんですね。
グラフィティアーティストのバンクシーの作品70点以上が展示されていて、来場者はほとんどが若いカップルか女性のお一人様に限られてました。僕以外、おっさんは一人もいなかった。
“政治はバンクシーが好んで取り上げるテーマである。彼はしばしば、例えばイギリスのEU離脱といった政治的問題についての意見を述べている。大衆の意識を操作する手段としての政治は、バンクシーにとって暴力や消費主義と同じくらい不愉快なものである。彼の意見は、展示されている作品のなかで明確に表現されている。展示のエピグラフとして、バンクシーの言葉を紹介する。──「世界をよりよい場所にしたいと望んでいる人間ほど危険なものはない」。”
“戦争は人間が選択できるなかでも最低の活動である。バンクシー作品のなかでも反軍国主義というテーマは、政治や抗議といったテーマと深く交わり合っている。作品を通して彼自身が戦争や軍隊についての意見をはっきりと述べている。「世界最大の犯罪は、規則を破る者によってではなく、規則に従う者によって犯される。命令に従って爆弾を投下し、村で虐殺を行うのは人間なのである。」(バンクシー著「ウォール・アンド・ピース」より)”
バンクシーの作品からは風刺や諧謔、反権力の姿勢などがストレートに伝わってきて、ここに写真は貼らなかったけど、ヴェトナム戦争時に全裸で泣きながら走ってくる少女の有名な報道写真に、笑いながら彼女と手を繋いでるミッキーマウスとマクドナルドのドナルドをコラージュしたなかなか辛辣な作品など、その挑発的な作風に痺れる。
10年前に彼のドキュメンタリー映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を観てからいつかその作品の実物をこの目で観たいと思っていたので、ようやくそれが叶って嬉しいです。
コロナ禍の中でも彼の作品の切れ味は相変わらずでした。
※その後、5/31(月)までだった開催期間が6/20(日)まで延長。