映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

「ブギウギ」


10月2日から始まった連続テレビ小説ブギウギ」を毎朝観ています。

主演は趣里さん。「東京ブギウギ」等の歌手、笠置シヅ子さんをモデルにした主人公・福来スズ子(花田鈴子)が戦前から歌手として活躍し始め、やがて戦後に「ブギの女王」として日本中で一世を風靡する。

主題歌「ハッピー☆ブギ」を唄うのは、中納良恵さかいゆう趣里

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大阪で銭湯を営む両親と弟・六郎と暮らしている鈴子は、歌が上手く、いつも銭湯の常連客たちの前でその歌声を披露していたが、やがて梅丸少女歌劇団 (USK) に入団して、同期のリリー白川/白川幸子や桜庭和希/桜庭辰美たちとともに稽古に励み、USKの看板女優になっていく。


澤井梨丘さんが子ども時代の鈴子を演じて、成長後の趣里さんと顔が似ていることで話題にもなっていたし、何よりもオーディションでプロデューサーや演出家たちに「彼女しかいない」と言わしめたように抜群の演技力で視聴者を早くも作品世界へ惹き込んでくれました。


亀好きの弟の六郎役は「舞いあがれ!」でも五島の場面に登場した少年・朝陽役など、BK(NHK大阪局)の朝ドラではおなじみの子役・又野暁仁さん。愛嬌ある演技で場面をさらっていってました。


脚本は、僕はずっと観ていたNHKの夜ドラ「あなたのブツが、ここに」の櫻井剛さんなので信頼感があります。澤井梨丘さんは「あなブツ」で主人公・亜子(仁村紗和さん)の娘・咲妃役だった毎田暖乃さんをちょっと思わせますね。

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もう一人の脚本家は『百円の恋』(感想はこちら)の足立紳さん。

出演者も、鈴子の両親役で母・ツヤが水川あさみさん、父・梅吉を柳葉敏郎さん、そしてやはりBK作品でおなじみの面々も。「アホのおっちゃん」役(どんな役名だ^_^;)の岡部たかしさんは「あなブツ」にも社長役で出演してました。


USKのスター役で蒼井優さん(大和礼子役)と、USKのモデルであるOSK日本歌劇団の現役の男役の翼和希さん(橘アオイ役)が出演、やはり劇団員のかたがたも出演して朝から華やかな歌やダンスを披露してくれていました。

ステージの上の蒼井さんと翼さんは麗しく、「水のしずく」役の子役の3人の衣裳とダンスが可愛い(^o^)

大和礼子は(非公式だが)OSKの前身「松竹楽劇部」の初代トップスター、飛鳥明子さんがモデルと言われているし、橘アオイは水の江瀧子さんなど複数のモデルがいるのだそうで。


秘技・ジュディ・オング(^o^)

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なかなかの布陣ですね。

ドラマの方は、いつものように2週間で澤井さんから趣里さんにバトンタッチして、鈴子が仲間たちとともに努力の末に実力と人気を獲得していく様子、不景気による給料の減額や人員削減などへの抗議を込めて行なったスト「桃色争議」の顛末、鈴子の出生の事情が明らかになって本当の生みの親との出会い、そして先輩で人気スターだった礼子との別れも描かれ、彼女はその歌の才能を見出されて上京することに。


毎話てんこ盛りの内容で、でもじっくり描くべきところは登場人物の人数をしぼって1回分の放送時間をしっかり使って描く。

一方では、呆気にとられるほど一瞬で突然の別れがあって、否応なく物語が進んでいきもする。


現実の世の中ではOSK日本歌劇団とは別の有名歌劇団でいじめを理由にした劇団員の自殺があり、集団の中での陰湿な足の引っ張り合いが明るみに出てきていて、某男性アイドル事務所の性暴力の件もそうですが、夢を売る仕事であるはずの職業にひどく醜いものも感じているし、そういう組織の存在を許してきた土壌がこの社会全体にある、ということに問題も感じています。

これはフィクションだしTVドラマなので、そういう集団の明るい部分、素晴らしさの方を描き強調しているし、朝からドロドロしたリアルな人間関係を見たいわけじゃないからこれでいいとは思いますが、でも、現実とドラマとの乖離がこれほどまでに激しいのはほんとに皮肉なものですね。

誰かを蹴落として踏みつけにしてのし上がる世界が当たり前のような風潮は消えてほしい。甘い、などと言われようが、切磋琢磨や仲間同士のいたわり合いもないような「勝ち負け」重視の集団は、たとえどんなに優れた作品を生み出したとしてもそんなものに僕は価値はないと思う。

ここんとこ毎度のことながら、ドラマの放送が始まってまだまもなく「スカーレット」や「おちょやん」などを引き合いに出して、時代背景がカブっていることから「いつもと同じような作品」と腐してるネット記事を目にしたけど、もうしばらく観てからそういうことは言いなさいよ、といつも思う。

前作「らんまん」の時も、そうやってまだろくにエピソードが語られてもいないうちから勝手にジャッジしてる記事があって、なんでも文句言えばいいってもんじゃないよな、と思った。

似てるところもあるかもしれないけれど、だったら各作品の差異にこそ注目してみたらいいではないか。

「おちょやん」の千代(子ども時代を毎田暖乃さんが演じていた)と本作品の鈴子とでは、どこが違うのか。物語の描かれ方の工夫に面白味を感じたい。

また、少々ネタバレになってしまうけれど、笠置シヅ子さんの史実では、彼女はBK作品「わろてんか」の主人公のモデルとなった女性と接点がある。それはドラマでは描かれるんだろうか、という興味なんかも。

鈴子がその後シングルマザーになることはドラマの第1話の冒頭で述べられているから、そのあたりの事情はフィクションとして変更されるかもしれないけれど、まったく触れられないことはないでしょう。

おなじみの時代背景だったり、ある程度フォーマットが決まっているからこその違いを楽しむことができるんですよね、朝ドラをずっと観続けてると。

今ではBK制作の朝ドラでも主演や主要登場人物を務めるのは関西圏以外の出身者であることが多いので、もはや出演陣だけではAK(NHK放送センター)とBKの作品の区別はそんなにつかない。脚本家についても同じく。

だからこそ、今回はどうか?と初回に臨み、やがて1週間、2週間と観続けるうちにだんだん「これはイケそう♪」となってくる。

子役たちが結構決め手でもある。彼らは重大な責任を負ってるんだよね。

僕はこの「ブギウギ」も前作「らんまん」に続いて毎日楽しく観てますし、ここんとこ見応えのある作品が続いているからとても嬉しい。朝から気持ちが明るくなります。

中にはドラマを観込んだうえでの「なるほど」な批判もありますが、だけど、史実通りじゃないからドラマ化する意味も意義もないのかと言ったら、そんなことはないと思う。

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朝ドラって毎日わずか15分ずつという特殊な放送形式だし、通常の連続ドラマよりも視聴者が“隙間”を埋めていくことで楽しめる部分も多いので(ちょっと言い訳めいちゃうけど)、ほんとはもっといろいろあるんだけど、ここではソフトにまとめました、ということで、ある程度は流していくことも必要なのかな、と。

僕だって毎作品、ドラマの内容すべてに大満足、というわけではないけれど、それでもいつも心に残る台詞や場面はありますからね。なかったら半年間も観続けられない。

批判もあれば、賞賛もあります。

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次週からは東京篇で、そこでは鈴子とライヴァル的な関係になるという、淡谷のり子さんがモデルの茨田りつ子(菊地凛子)が登場するけど、時は日中戦争の頃、女性歌手の服装をとやかく言ってくる官憲に向かってはっきり自己主張する彼女の姿が予告だったか特集番組でだったかで映し出されていて、その表現の自由の抑圧は鈴子にも及ぶだろうから、これはもしかしたら「おちょやん」では描かれなかった(それゆえに僕が不満も感じた)ことが今後は描かれていくんだろうか、とも。

朝ドラって史実からはいろいろと改変されているし、そこを批判されることもあるんだけれど、でも、作り手の皆さんがなんとか朝ドラという枠で可能な限り台詞や登場人物たちの行動に現実の社会への提言を込めようとしているのが伝わるんですよ。いろんなものを読み取れるように作っている(まぁ、作品によりますが)。

「らんまん」では戦時中のことは描かれていなかったから、ちょうどあの作品から時代が繋がっているんですよね。けっして同じことをなんの工夫もなく繰り返しているわけではない。

出演者の皆さんはどなたも素晴らしいんですが、僕はこれまで趣里さんの主演作品を映画でもTVドラマでも観たことがなくて、たまに脇役で印象的な役を演じられていたのを覚えているぐらいなので、主役を張るとどんな感じのかたなのだろう、と思っていたんですが、キュートで明るく元気な性格の一方で繊細な部分を持った女性として鈴子/スズ子という女性を演じられていて、薄めの化粧の時と3センチある付けまつげのインパクトある舞台用のメイクのギャップ、くるくる変わる顔の表情やハの字眉毛になった時の可愛らしさなど、彼女の静と動の切り替えの妙を楽しんでいます。

「おちょやん」の千代役の杉咲花さん同様、趣里さんは東京出身ですが、彼女たちが演じる関西の女性たちのそれぞれの演技の違い、演出の違いも意識して見ていると面白いですよ(^o^)


いろいろとしんどいことも少なくない世の中だからこそ、笠置シヅ子さん≒スズ子の歌は人々から愛される。ステージで躍動する彼女の姿と弾む歌声。そこに邪心はない。

冷笑やすぐに人を値踏みするような醜悪な価値観がはびこる世の中で、彼女のただひたすら歌うことを愛する心は今、本当に必要とされている。


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