映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

「わろてんか」から「半分、青い。」へ


3月31日(土)、NHK朝の連続テレビ小説わろてんか」が最終回を迎えました。

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ブログには感想を書けませんでしたが、アンコール放送の「花子とアン」と一緒にずっと観ていました。

それぞれ東と西を舞台にしてほとんど同時代が描かれていることもあって、「花アン」と続けて観ているとまるで姉妹篇のようでもありほんとに楽しかったです。

前作「ひよっこ」が高度成長期を舞台にいた数年間の話で登場人物も物語も完全なフィクションだったのに対して、こちらは実在の人物がモデルの女性の一代記でわりとオーソドックスな作りのドラマ*1だったわけですが、「わろてんか」というタイトルで吉本興業を基にした漫才やお笑いを描いているにもかかわらず、笑える場面はそんなになくて、しばらくは「大丈夫かな…」という不安がありました。


それと、このドラマが始まってまもなくヒロイン・てんのモデルの吉本せいさんの生涯について解説した他局の番組を観て、てんの夫の藤吉(松坂桃李)がどうなるのかも前もって知っていたし、「北村笑店」が軌道に乗るまでのエピソードに少々停滞感を覚えなくもなかった。

正直いうと、途中まではアンコールの「花アン」のついでに観ている部分もありました。

それでも苦手な現代劇ではなくて近過去ということもあって、意識をタイムスリップさせて現代の関西の「お笑い」に繋がる物語を観てきました。

キャラクターとしては、高橋一生演じる伊能栞のこのドラマにおける役割はとても大きかったし、てんの息子・隼也(成田凌)が成人してからはストーリーにも面白さを感じるように。


そして藤吉の昔からの顔馴染みで歌手になっていたリリコ(広瀬アリス)とアコーディオン奏者のシロー(松尾諭)がコンビを組んで漫才を始めるあたりからは彼らが物語を牽引してくれて、毎日観るのが待ち遠しくなりました。


その一方で、このような「女の一代記」を描く時にありがちなこととして、演じている女優さんと役柄の年齢があまりにかけ離れている、という問題も。

あさが来た」や「べっぴんさん」など、わりと早い段階でヒロインが成長を遂げるドラマが最近多いですが、この「わろてんか」も同様に主人公のてんは娘時代から結婚、出産と結構さくさく進んでいくし、夫となった藤吉はドラマの半分ぐらいの時点で病気で早世してしまう。


てんを演じる葵わかなさんは実年齢は19歳で成人した息子や孫を持つ女性を演じたわけで、葵さんの落ち着いた演技や大人っぽい顔の表情には安定感があったものの、やはりかなり無理も感じました。

あまちゃん」とか「ひよっこ」みたいに年相応の役柄ならわかるんだけど、ドラマの大半で中年以降を演じるのにどうして10代の若手女優さんを起用しなければならないのか疑問で。

視聴率的なこととかいろいろ大人の事情があるのかもしれませんが、そこは「ひよっこ」みたいに物語と出演者をなるべく寄せたり、あるいは「カーネーション」のように世代が替わるタイミングで主演女優も交代するとか、視聴者に違和感を持たせないように配慮してほしいなぁ、と。

いえ、葵わかなさんはほんとに好演されていたと思いますよ。こういう役はNHKならでは、ともいえるし。今後も大河ドラマなどでその存在感や演技力を存分に発揮してくれそう。

葵わかな”は実際の年齢よりも大人っぽい雰囲気を持った女優さんだな、とあらためて思いました。

てんは「ゲラ(笑い上戸)」という設定の*2明るく朗らかなキャラクターで、葵さんの笑顔もほんとに可愛らしいしご本人も確か仰ってたようにちょっとお餅のようなほっぺが見ていて微笑ましいんですが、ふと見せる冷めたような視線が妙に気になることがあって、実はズバズバと強気な発言をする女性の役も似合うのではないかと。

優等生っぽい役以外のいろんな役の彼女を見てみたいですね。


「花アン」もそうでしたが、元気のよかった子ども時代や娘の頃から時が経って戦争の時代になると、さまざまに自由が規制されて権力や周囲から圧力を受けることが多くなります。

ああいう描写を観るたびに現在の僕たちの国、その生活と重なって、本当に大事なものについて考えさせられます。

笑うことの大切さ。人々から笑顔を奪おうとする者たちへの怒り。

こういうドラマで過去を振り返る必要性をますます感じるようになってきています。

10ヵ月間撮影を続けてこられた出演者の皆さん、お疲れ様でした。

皆さんのさらなる飛躍とご活躍を願っています。


そういえば、「あさイチ」で8年もの長きに渡り進行を務めてこられた有働由美子アナウンサーとイノッチこと井ノ原快彦さんが3月30日(金)をもって“卒業”されましたね。

朝ドラは「あさイチ」のお二人(ヤナギーこと柳澤秀夫さんも)の“受け”込みで成り立っていたと言っても過言ではないぐらいで、有名な「ツケマ消失事件」など、ドラマに入り込んで泣いたり笑ったりの有働さんの豊かな反応がほんとに好きでした。

そしてイノッチの真面目で誠実なコメントも。

TVの中に彼らが揃った姿がないと、寂しいだけではなくて、今後大切なことを言葉や表情で伝えてくれる人たちがいなくなる不安を感じずにはいられません。

ともかく、本当にお疲れ様でした。毎朝楽しくためになる時間をありがとうございました。


さて、4月2日(月)から始まる「半分、青い。」は最初は岐阜が舞台でバブル期が描かれるそうですが、果たして僕は最後まで観続けられるでしょうか(;^_^A



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*1:後半はずっと死んだ人が普通に出てきてましたがw

*2:途中から完全に忘れられてたけど^_^;