

5月8日(日) まで開催されていた名古屋市博物館の「DC展 スーパーヒーローの誕生」に行ってきました。アメリカンコミックの老舗「DCコミックス」のスーパーヒーローたちの中から代表的なものをピックアップ。
以前、松坂屋でやっていたマーヴェルの展示会はあっさりしていて見応えがなかったけど、今回のDC展は博物館で400点にも及ぶ貴重な品が展示されていて、見通すのに3時間ぐらいかかりました。時間と体力が許すならもっとゆっくりしていたかったほど。
会場は大まかに「スーパーマンエリア」と「バットマンエリア」「スーサイド・スクワッドエリア」「ワンダーウーマンエリア」「ジャスティス・リーグエリア」に分かれていて、原作のコミックブックの生原稿や実写映画化されたりアニメ化された作品のデザイン画、撮影に使った衣裳やミニチュアなどがズラッと並んでいてなかなか壮観でした。


ご存じジョージ・クルーニーの乳首バットマン&ロビン。意外と太ももにヴォリュームがあるバットガール(アリシア・シルヴァーストーン)


バットマンのヴィラン(悪役)たちとスーサイド・スクワッド
僕はマーヴェルにしてもDCにしてもアメコミの原作本を読んだことはほぼないので、そちらの方面についての知識は皆無なんですが、90年代にちょうどジョエル・シュマッカー監督の『バットマン フォーエヴァー』が公開された頃にたまたま本屋の洋書コーナーでバットマンのアメコミをチラッと目にしたことはありました(確かリドラーが出てたと思う)。
それ以来、DCの映画化作品は何本も観ているけれど、原作コミックはまったく読んでないし、アメコミの長い歴史の中でそれがどのような進化を遂げてきたのかも知りませんでした。
だから、なんとなく「アメコミ」というと太い線で劇画調に描かれた漫画、というようなアバウト極まりないイメージしかなかったのだけど、実際に原稿に描かれたものを見てみると、デッサンも丁寧で線も細かく一枚一枚が美しいイラストのようなものが多くて(単純な線で描いてあるものもありましたが)、英語はわからないのでお話の意味はわからないけれど、絵を見ているだけでも楽しかった。
2000年代ぐらいまでは紙に直接インクで手描きしていたんですね。時々ホワイトで修正してあったりして、日本の漫画と同じなんだな、と。
最近の作品もあったけれど、それらはまるで写真か映画のコマからそのまま抜き出したようなリアルなもので、おそらくある時期以降は作画はすべてデジタルで行なわれているんでしょうけど。
僕はDCのアメコミ映画はリチャード・ドナー監督がクリストファー・リーヴ主演で撮った「スーパーマン」シリーズが最初で(初めて観たのは1981年日本公開の『スーパーマンII』)、そのあとティム・バートンの『バットマン』(89) を経て今に至ります。
映画版「ワンダーウーマン」シリーズの監督のパティ・ジェンキンスがインタヴュー映像の中でクリストファー・リーヴのスーパーマンに強い影響を受けたことを語っていて、近い世代として親近感が湧きましたね。
最近だとクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」三部作を熱く語る人が多いけど、僕はその前のティム・バートン版バットマン二部作への愛着が強いので、同監督の『バットマン』と『バットマン リターンズ』がフィーチャーされたブースのアントン・ファーストらによるデザイン画やジャック・ニコルソンのジョーカー、ダニー・デヴィートによるペンギン、そしてミシェル・ファイファーのキャットウーマンの衣裳などには見入ってしまった。もちろん、マイケル・キートンが着たバットマンスーツにも。




衣裳やミニチュアなど、ここに展示されていたものはほんとに全部撮影に使われたものなんだろうか。撮影の検討用みたいなミニチュアもありましたが。
間近で見るとどれも手作り感満載だし(撮影のために“手作り”したんだから当然なんだが)、キャットウーマンなんて手足もウエストもめちゃくちゃ細いんだけど。ミシェル・ファイファー、どんだけスリムなんだ、とw
今ではノーラン版バットマンでクリスチャン・ベイルが着ていたようなメッシュの生地のものが主流なんだろうけど、マイケル・キートン版のバットマンのスーツの材質はゴムなのかなんなのかよくわからなくて、これは重くて分厚くて動きづらかっただろうな、と。リーヴ版のスーパーマンみたいな薄くて柔らかい素材じゃないもんね。
バートン監督のバットマンは実は劇中で激しいアクションをそんなにしていないんだけど、そもそも動きが制限されてあまり複雑なアクションができなかったのかもしれない。
残念ながら、バートン版のバットモービルは展示されていませんでした。あれが好きなんだけどなー。
やはり「ダークナイト」三部作のブースは人気がありましたね。


タンブラーとバットポッド
ヒース・レジャー版ジョーカーのデザイン画
ヒース・レジャーがかぶっていたピエロのマスク


ベイン(トム・ハーディ)は当初顔全体をマスクで覆うはずだったが、検討の結果、素顔の露出部分を増やした。




クリエイターたちのインタヴュー映像も充実していたし、第二次大戦前からのDCコミックスの歴史をざっとおさらいするような催しで、これはなかなか満足感がありました。
またこういうイヴェントやってほしいな。
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