映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

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守りたがる人々

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映画の感想でも美術館巡りのことでもなくて恐縮ですが、

「俺がお前を守る」「僕が君を守る」

こういう台詞、最近の邦画に多くないですか?

すっごく嫌いなんですが。

ちょっと前にも映画館で、とある映画の予告篇に似たような台詞が流れてました。

今やってる朝ドラでも主人公がその後夫になる人物に「私があなたを守る」と言っていた。

「あなたを守る」って、一見献身的なようだし、弱ってる人や傷ついている人が言われたら嬉しいのかもしれませんが、僕はずいぶんと傲慢な言い回しだな、と感じるんですよね。

相手が助けを求めているのであれば、そしてそれに応えようとする自分の気持ちを伝える必要がどうしてもあるというのなら、せめて「あなたを支える」とか「支えたい」あたりで充分なのではないでしょうか。

どうして自分は一方的に相手を「守る」立場だと言えるのか、よくわからないんですよ。

恋人同士だったり夫婦なんだったら、こちらが相手を「守る」こともあるかもしれないけど、逆に「守られる」ことだってあるでしょうに。ともに生きていくなら持ちつ持たれつのはず。

「お前を守る(キリッ」

…なんか、こういうキメ台詞っぽいの言わせるのがカッコイイとか思ってるのかなぁ、って。

でも僕にはスゴく陳腐な表現に思える。自分の言葉に酔ってるだけのよーな(あと、女性のことを「お前」って呼ぶ男はそれだけでなんかムリ)。

たとえば、お医者さんだって患者さんに「私たちがあなたを守ります」なんて言い方はしないだろうと思うんですよね。お医者さんにできることは一所懸命治療することであって、「守る」とかどうとかいうことではないから。

○○を守る、とか言っていいのはフィクションの中のスーパーヒーローだけですよ。あとは要人警護の人ぐらいで。

相手が子どもで、親だとかまわりの大人が「何かあったらちゃんと守るからね」と言って安心させてあげる、みたいなことだったらわかるんですが、対等な相手にむかって「あなたを守る」と宣言するのは妙ですよ。相手のことを「守られる」側だと決めつけてるわけだから。

守りたい人、多過ぎでしょ。この国を守る!とかさ。頼んでねーよ。

だけど、そうやって勇ましいことを言う人でちゃんと実行する人ってほとんどいないんじゃないか。胡散臭い言葉だよな。

守るんならまずは約束を“守って”ほしいよね。


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