映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

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「アンという名の少女」を観終えて

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3月6日(日)、NHK総合で放送されていた「アンという名の少女3」が第10話「心の導き」で最終回を迎えました。

一昨年にシーズン1が放送されて、シーズン2が去年の9月から、そのまま続けてこのシーズン3と楽しんで観てきました。

ei-gataro.hatenablog.jp


もともとNetflixでやっていたものですが、僕はこのNHK放送版で初めて観たし、今後も観返す手段がないので、ぜひまた再放送していただきたいです。

以前書いた記事でも触れたように、この「アンという名の少女」は諸事情によりシーズン3で終了、要するに「打ち切り」になっていて、今のところ続篇はありません。

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シーズン3が作られたのが2019年で、その後、続篇が制作されるという話も聞かないですし。 そのためか、ちょっと予感はしていたんですが、終盤はかなりの駆け足でまとめに入っていて、正直なところ6日にいきなり終わっちゃうとは思っていなかったので(あと1話ぐらいあると思ってた)、当日の放送で「あっ、今日でおしまいなんだ」と知ったほどでした。

Twitterの「#アンという名の少女3」タグでも、同様に初めて最終回であることを知ったかたたちの驚きのツイートが散見されました。それぐらい終わり方が性急だったということです。

金持ちの家の令嬢であるウィニフレッド(アシュリー・ステュワート)との結婚の話を断わったギルバート(ルーカス・ジェイド・ズマン)は、アン(エイミーベス・マクナルティ)に自分の想いを伝えようとカスバート家に立ち寄るが、あいにく彼女が留守だったためアンの部屋に手紙を置いていく。

アンは以前書いたギルバートへの手紙に返事がなかったことから無視されたと思い込み、自分の部屋に置かれていた手紙をてっきりウィニフレッドとの結婚の報告だと勘違いして憤って手紙を読まずに破いてしまう。

クイーン学院への進学で下宿することになったシャーロットタウンでウィニフレッドに偶然出会ったアンは、そこでようやくギルバートたちの結婚が破談になったことを知る。 汽車で乗り合わせたダイアナ(ダリラ・ベラ)からアンの気持ちを聞いたギルバートは、アンのいるシャーロットタウンにむかい、ふたりはキスして一件落着。


…って、ちょっと待て(;^_^A

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もう打ち切りになった連載漫画の最終回並みにマッハで大団円にもっていってますが、ダイアナは大学進学のことで両親と揉めてたはずなのに、なぜか父親が急に協力的になってアンのために馬車を飛ばしたり、前回で先住民のミクマク族の少女カクウェット(ギャワンディーヨ・ターベル)は無理やり両親と引き離されて差別的な神父とシスターによって管理された寄宿学校に入れられたまま、最終回でなんのフォローもなくドラマは終わってしまう。

打ち切りになったことは知ってたけど、まさかこんな尺足らずのまま終わってしまうとは思わなかった。まるで映像を早送りしてるような慌ただしさ。

本当はシーズン4も作るつもりでいたんだろうことがうかがえますが、先ほども述べたように続篇の制作は実現することなく現在に至っています。 …いやぁ、そこはもうちょっと融通を利かせて最終回は時間を延長するとかさぁ。やってくれてもよかったんじゃないのかなぁ。せめて描きかけたことはちゃんと最後まで描ききってほしかった。

カクウェットの件は史実を基にしていて、だから安易なハッピーエンドにできなかった、ということなのだろうけど、親や同じコミュニティの人々と会うことも許されず、自分が生まれ育った場所の文化も奪われたカクウェットの絶望を見たあとにアンとギルバートのすれ違いの恋を見せられても全然入り込めないよ。お気楽なもんだな、と思ってしまう。

jp.reuters.com

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自国(カナダ)の負の歴史に目を向けることは大事だし、白人のアンと先住民のカクウェットを対比して描くこと自体は今日的で興味深い試みだと思うんだけど、それで「赤毛のアン」の物語が瓦解してしまっては「アン」をわざわざドラマ化した意味がなくなってしまう。

だったら、「赤毛のアン」のドラマ化ではなく、「アン」のキャラクターを使った別物の企画としてやるべきでしょう。

この「ガッカリ感」を払拭する方法はただ一つ、シーズン4を作ることだけです。「赤毛のアン」の原作の方にはその後のアンとギルバートを描いたものがあるそうだから(すみません、偉そうに言いながら僕は原作を一切読んでいません)、それをドラマ化してほしい。

アンのドラマと同時にカクウェットのその後も描いて両者を再び交わらせることで、希望が残る物語に仕上げてほしい。たとえカクウェットには現実の歴史通りの悲劇的な結末が待っていても、それを受けとめて記憶し続けるアンを想像します。

心の翼を広げて想像すること。それが「アン」の物語が語っていた、生きるうえで大切なことでしょう。

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現代版「アン」の物語にはまだまだ描けることがある。僕は、いつかまたアンに会える日を待っています。


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