映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

まんぷくなべっぴんさん

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3/30(土)にNHKの朝の連続テレビ小説まんぷく」が最終回を迎えました。同じ日にアンコール放送の「ぺっぴんさん」も終了。

前作「半分、青い。」は途中でリタイアしてしまったので、今回は最終話まで完走できてホッとしています。半年間観てきたドラマとのお別れは寂しいですね。

「べっぴんさん」と「まんぷく」は同じBK、大阪放送局の制作で舞台は同じ関西だし、時代も結構重なっていたこともあって別の登場人物たちによる異なる物語が並行して描かれている面白さがありました。「べっぴんさん」の“大急百貨店”は「まんぷく」にも登場してたし(^o^)

この2本の組み合わせは最高でしたね。

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四つ葉のクローヴァーで始まり終わった「べっぴんさん」

 

その一方で、両作品を続けて観ることで演出や出演者の演技の仕方の微妙な違いなどがうかがえて面白かった。

まず去年の10月に「まんぷく」が始まって早速僕が気になったのは、主演の安藤サクラさんの演技がわりと大きめというか、かなりわかりやすい…要するにオーヴァーアクトだったことです。

顔の表情の作り方、喋り方など、ちょっと間違えるとコントになってしまう一歩手前ぐらいで。

その演技に個人的にはなかなか慣れることができず、そして結局慣れないまま最終回まで観続けた感じでした。

安藤サクラさんは、たとえば主演した『百円の恋』(感想はこちら)や『万引き家族』(感想はこちら)などの映画ではもっとリアリズム寄りの演技をしていて(もちろん作品によってはデフォルメされた演技も見せてますが)、僕はそういう彼女のナチュラルな演技が好きだったので、「まんぷく」でのずっと笑顔が張り付いてるような表情や「え、えぇ~~?」と大仰に困ってみせる型にはまったような演技に違和感を覚えてしまって。

確かにいつもニコニコしてる“福ちゃん”に癒やされる部分はあったし、コントっぽい演技も演出側に求められてやっていたわけだから、安藤さんの演技力のことを云々するつもりはありません。

ネイティヴの関西人ではない安藤サクラさんが「カーネーション」の尾野真千子さん並みの流暢な関西弁で丁々発止の会話をするのは難しいのだろうし、それはやはり関西出身ではない葵わかなさんが主演した「わろてんか」でも実感したことだから、演技を大きくすることでその弱点をカヴァーした、というのもあるのでしょう。安藤さんは慣れない関西弁での演技で健闘されていたと思います。

朝から複雑で深刻そうな物語や演技など観たくない、という気持ちもわかるし(だからストレスが溜まる「半分~」は離脱した)、最後まで観られたということは楽しんだということなんで、そこはご理解いただきたいんですが、そのうえであえて感じたことを書いてみます。

ドラマ自体をディスっているんじゃないので、ファンのかたは誤解なきようお願いいたします。

アンコール放送の「べっぴんさん」は2016~17年の本放送の時に続いて僕は観るのは2回目ですが、劇中で出演者が喋る言葉にそんなに違和感がなかったんですよね。

「べっぴんさん」でも若手の主要な出演者の多くは関西出身ではないのでネイティヴの人が聞いたら「違う」と言われるかもしれないけれど、主人公の“すみれ”は神戸出身のお嬢様育ちという設定だったのでコテコテの関西弁ではなくてわりと品のいい、そして演じる芳根京子さんのほんわかした口調のおかげもあって(すみれの「~なのよ~」という優しい言い回しが好きでした)すんなり台詞を聴いていられたんです。

ところどころに関西出身の俳優(生瀬勝久名倉潤いしのようこ中村玉緒三倉茉奈団時朗、土平ドンペイなど)を配することでなるべく不自然さを感じさせないように配慮していた。

「べっぴんさん」は「働くこと」や「仕事と育児や家事の両立について」「母と娘の関係」など、日常の中の普遍的なテーマを描くことで視聴者の共感を呼んでいたわけですが(ヒロインのキャラの濃さや作品の印象は異なるが、物語の作りは「カーネーション」と似ている)、一方の「まんぷく」は発明家の夫とその妻、というダブル主人公なところは「マッサン」っぽいし、ユニークな登場人物で場を和ませようとするのはちょっと「わろてんか」っぽくもあり、次姉の咲(内田有紀)が亡くなったあともたびたび登場するのは「てるてる家族」や「わろてんか」と、いろんなところから持ってきてる。

主人公の“福ちゃん”こと福子が姉妹の中でなぜか一人だけ演技のタイプが違うというか、先ほどの「えぇ~?」みたいな顔芸とオーヴァーアクトが目立つんですよね。

長姉・克子役の“ゲゲゲの女房松下奈緒さんご本人は関西出身だけど、そんなにコテコテな演技ではないし。

母親の鈴さん(松坂慶子)も結構演技が大きめで3人目のヒロイン(2人目はもちろん長谷川博己演じる“萬平さん”)といえるほど毎回エピソードに直接絡んでいて、それは最終話まで続きました。

もともとは香田家に泥棒に入ったのがきっかけでやがて「まんぷく食品」の従業員として活躍する神部(瀬戸康史)や、やはり塩作りからずっと一緒に働いている岡(中尾明慶)や森本(毎熊克哉)、そして萬平と若い頃に「一緒にラーメンを食った仲」でもはや腐れ縁ともいえる世良(桐谷健太) などお馴染みの面子の顔を見ると安定感があるし、彼らが右往左往しながら地道に即席ラーメンを開発していく過程はなかなか面白かったんですが、後半ちょっとエピソードをどう引き伸ばそうか迷ってるような印象があって、僕はただでさえ飽きっぽくて連続ドラマを観続けるのが苦手なので集中して観ていられなくなっちゃって。

といっても、これまでで一番夢中になって観た「ひよっこ」だって終盤になって心が離れそうになったぐらいだから、「まんぷく」がここ最近の朝ドラの中で特別不満だということではないんですが。

同じNHKでやっていた「ザ・プロファイラー ~夢と野望の人生~」の萬平のモデルになった安藤百福さんの特集でその後半生を見てしまったので、ドラマの先の展開を前もって知っていたために新鮮味を感じられなかった、ということもある。

まんぷく」のほんとの主人公は安藤サクラ演じる福子なので彼女自身にドラマが欲しいところなんだけど、実際にチキンラーメンまんぷくラーメン)やカップヌードルまんぷくヌードル)を開発したのは夫の百福氏(萬平)だから、どうしても夫を支える立場として描かざるをえないんですよね。

百福氏の妻の仁子さんは私人なのでプライヴェ-トはほとんどわからず、だからドラマの福子にまつわるエピソードはほぼフィクションなんだそうですが、だとしたらもうちょっと夫婦の間に何か起こってもよかったな、と。

いや、これ見よがしな事件や事故ではなくて、夫婦間での意見の相違みたいなものがもっとあってもよかったんじゃないかと。

後半、福ちゃんはほとんど萬平さんを褒めて彼と一緒に生きてきたことを感謝してるばかりで、ちょっと僕は退屈だったんです。

夫婦といえども互いに感謝の気持ちを伝え合うのを忘れてはならない、ってことなのかもしれませんが。

百福さんと仁子さんは実際にとても仲がよかったそうだから二人が仲違いしたり彼らの間に何か問題が起こることはなかったのかもしれないけど、「ドラマ」としては夫婦の間に何も起こらないとお話が停滞してるようにも感じられてしまって。

それに「ザ・プロファイラー」でも紹介されていた百福さんの「カップライス」販売の失敗や息子との意見の対立、そして宇宙食の開発など、晩年まで劇的で興味深いエピソードはあったのだから、それがドラマで割愛されていたのは残念だった。

僕はてっきり最後は宇宙にまで思いを馳せる萬平さんの姿が見られるのだと思っていたから。

まぁ、同じく実在の人物をモデルにしていた「べっぴんさん」だって最後の方は回想や同窓会的な終わり方だったんで、朝ドラの〆としてはそれでいいのかもしれませんが。

資料がまったくといっていいほど残っていない人をドラマ化する難しさの中で、なんとか福子というヒロインのキャラクターを立たせようと奮闘した脚本家や演出家、安藤サクラさんの頑張りを今は称えたいですね。 

幼い娘さんを連れての収録で本当に大変だっただろうし、ご本人もどうしたらいいのか、と悩みつつの長丁場だったことを語られていましたが、ここしばらくずっと20代の女優さんが主演を務めることが恒例となりつつある中で30代の既婚で子どももいる安藤さんが演じた10代から50代の福ちゃんには、朝ドラ特有の「無理のあり過ぎる年齢設定」がだいぶ気にならなくなっていました(松坂慶子の80代はかなり無理があったが)。

最初に「コントっぽい」と表現したけれど、安藤サクラが演じたからこそ、福ちゃんはあそこまでキャラが立ったともいえるわけで、それは他の女優さんではもっと難しかったかもしれない。

安藤さんのまるでサザエさんみたいな髪型が可愛かった。

ってゆーか、眼鏡をかけた萬平さんのヴィジュアルもそうだけど、あれは絶対にサザエさんとマスオさんを意識してたよね。

いつか安藤さんの演じるサザエさんを観たいなぁ(^o^)

 

先日「ひよっこ」の後日談「ひよっこ2」が4夜連続で放映されて、あいにく僕はその中の第3話しか観られませんでしたが(お願いだからそのうちもっと遅い時間帯に再放送してください)、お馴染みの登場人物たちによる続篇って嬉しいですよね。

まんぷく」はこれも最近恒例だったスピンオフ作品がまだ作られていませんが、「ひよっこ」のようにしばらく間を置いてから続篇が作られるのかな?そしたらそこでさっきボヤいたカットされてたエピソードを描いてほしいなぁ。

 

さて、「まんぷく」に続いて4/1(月)から新しく始まる「なつぞら」。

ちはやふる』(感想はこちら。※好きな人には申し訳ありませんが、褒めていません)もヒットした主演の広瀬すずさんは、今もっとも朝ドラ向きのフレッシュな女優さんですよね。お姉さんの広瀬アリスさんは「わろてんか」に出演してました。

北海道から始まってアニメーションの世界で働くことになるヒロインの物語だそうですが、どんな展開が待っているのでしょうか。楽しみです。

(そしてアンコール放送はなんと「おしん」!)

 

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