日本時間の3月13日(月) 、現地時間の3月12日(日) に第95回アカデミー賞授賞式が行なわれましたね。
いつもの通り、僕は式の模様を観ていませんが、受賞結果の発表だけチェックしました。
下馬評では11個のノミネートをされていた『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(通称:エブエブ)』が総ナメなのでは、と言われていましたが、予想通りの結果となったようで最多7部門での受賞。
僕は先日投稿した感想で「この映画のよさがわからなかった」を連発して酷評したのでなかなか肩身が狭いんですが^_^;でも受賞そのものは素晴らしいことですから率直に祝福したいと思います。
監督のお二人、そして主演のミシェル・ヨーさんはじめ助演女優賞のジェイミー・リー・カーティスさん、助演男優賞のキー・ホイ・クァンさん、そして関係者の皆さん、本当におめでとうございます。
アカデミー賞はここ何年も“多様性”をスローガンに掲げてきたようなところがあって、今回もそういう点から多くの票を集めたのでしょうし、非常に高く評価しているかたがたもいらっしゃるので(僕にはわかりませんでしたが)琴線に触れるところがあったのだろうし、単純にエンタメとして楽しまれた人たちも多かったんでしょうね。
『エブエブ』のような入り組んだストーリー、「バカ映画」テイストなスタイルの作品がこれまでオスカーの作品賞や主要部門でこれほどまでに多数受賞することなどなかったから、そういうジャンルの分野でも新機軸ということだったのでしょうか。
※運悪く、3/14午前2時現在、アメブロがメンテナンス中だとかでリンク先の感想が読めなくなっております(午前10時までとのこと。長ぇな!)。
■作品賞
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(感想はこちら)
■主演女優賞
ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■主演男優賞
ブレンダン・フレイザー 『ザ・ホエール』(感想はこちら)
■助演女優賞
ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■助演男優賞
キー・ホイ・クァン 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■監督賞
ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
オズワルド伊藤みたいなクワン監督とまるで漫才コンビのようなシャイナート監督の“ダニエルズ”
■脚本賞
ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■脚色賞
サラ・ポーリー 『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(感想はこちら)
■長編アニメ映画賞
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(感想はこちら)
■長編ドキュメンタリー賞
『ナワリヌイ』
■短編ドキュメンタリー賞
『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』
■短編アニメ映画賞
『ぼく モグラ キツネ 馬』
■短編実写映画賞
『アイリッシュ・グッバイ』
■歌曲賞
「Naatu Naatu」『RRR』(感想はこちら)
■撮影賞
ジェームズ・フレンド 『西部戦線異状なし』
■メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『ザ・ホエール』
■衣裳デザイン賞
ルース・E・カーター 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(感想はこちら)
■編集賞
ポール・ロジャーズ 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■視覚効果賞
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(感想はこちら)
ブレンダン・フレイザーがお見事主演男優賞を獲ったダーレン・アロノフスキー監督の『ザ・ホエール』(4月7日公開予定)は観たいと思っていますし、脚色賞を受賞したサラ・ポーリー監督の『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(6月2日公開予定)もキャストが豪華なので興味があります。
受賞はならなかったけれど、ケイト・ブランシェット主演の『TAR/ター』(5月12日公開予定)(感想はこちら)も大いに気になってます。
Netflix映画の『西部戦線異状なし』も受賞を記念して劇場でやってくれないかなぁ。
第43回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)は以下の通り。
□ワースト映画賞
『ブロンド』
□ワースト主演男優賞
ジャレッド・レト 『モービウス』
□ワースト主演女優賞
ラジー賞“第43回女優賞ノミネート時の失態”
1982年に公開された『アニー』(感想はこちら)では、当時11歳ぐらいだったアイリーン・クインが「(主演だったのになぜか)最低助演女優賞」を獲ってますが。
ラジー賞も時代とともに変わっていくということですな。
□ワースト助演男優賞
トム・ハンクス 『エルヴィス』(感想はこちら)
□ワースト・スクリーンカップル賞
トム・ハンクスとラテックスまみれの顔面(そしてばかげたアクセント) 『エルヴィス』
□ワースト監督賞
MGK(コルソン・ベイカー)&モッド・サン 『グッド・モウニング/人生最悪のハイな1日』
□ワースト・リメイク/パクリ/続編賞
ロバート・ゼメキス監督作『ピノキオ』
□ワースト脚本賞
『ブロンド』
□名誉挽回賞
コリン・ファレル(2004年最低主演男優賞候補から2022年アカデミー賞主演男優賞最有力候補へ)
去年、アカデミー賞授賞式でやらかしたウィル・スミスは、まだシャレにできない段階なのかラジー賞ではイジられてませんでしたね(でも本家のオスカー授賞式ではジミー・キンメルが思いっきりイジってたようなw)。ひっぱたかれたクリス・ロックはNetflixのコメディショーで思いっきりネタにしていたようですが。
最初に戻りますが、『エブエブ』の受賞にはちょっと考えさせられるものがありました。
受賞結果にケチをつけたいわけではありませんが、ここ何年か受賞作品を劇場で観てきて、さまざまなタイプの作品があったけれどだいたいどれも僕は楽しんできたし、納得もしてきたんですよね。
すべての作品を称賛したわけではなくて別のノミネート作品を推していた場合もあるけれど、それでもどの受賞作品にも今回ほど「…なぜこの映画が!?」という衝撃はなかった。
ちなみに、2010年(第83回)以降の作品賞の受賞作品は、
『アーティスト』(感想はこちら)
『アルゴ』(感想はこちら)
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(感想はこちら)
『ムーンライト』(感想はこちら)
『グリーンブック』(感想はこちら)
『パラサイト 半地下の家族』(感想はこちら)
『コーダ あいのうた』(感想はこちら)
いかがでしょうか。
作品によって好き嫌いはあるでしょうが、映画をご覧になればおわかりいただけるように、この中で『エブエブ』がいかに浮いているかw
オスカーも新たなフェーズに入ったということでしょうか。
気が早いですが、次のオスカー候補作にはどんな強力な飛び道具、いや多様性に富んだ作品が登場するのか、今から心配、いや楽しみです。