※以下は、2008年の劇場公開時に書いた感想です。
海底に棲む魚たちの国の王女ポニョと5歳の男の子・宗介の物語。
…ヤバいなぁ、これは。メガトン級にデンジャラスな作品でした。まぁいろんな意味で。
一人の幼女に対するこのフィーチャーぶり、“魂の恋人”を描き残そうという尋常でない情熱の傾けよう…この映画は宮崎駿作品の決定打(“最高傑作”とは言ってませんので悪しからず)ではないかと思うんですが。
観終わった後、すべてをやり終えたようにこのままミヤザキ監督が天に召されてしまうんではないかと心配になりました。
幼稚園と老人介護施設やっちゃったら、あとはもう「あの世」しかないではないか。“観音さま”も出てきたし。
刈り上げ頭の宗介君はミヤザキさんの分身。
齢70にして5才児になって、海の底からやってきた女の子に「好き!」って言われて抱きしめ合って一緒に暮らす。夢の光景。
これを“老人の幼児退行”と呼ぶなら呼べとばかりに臆面もなく。
ミヤザキ監督、きっとあんな孫娘が欲しかったんだろうなぁ。キャッキャと飛び跳ねたり、疲れてトロトロとおねむな様子、純真無垢なその寝顔をいつまでも眺めていたいんだなぁ、と。
まぁ中には虫酸が走る人もいらっしゃるかもしれないが、これだけ徹底してたらアッパレだと思います。巨匠ミヤザキ・ハヤオの集大成だろう、これは。
これまでの作品以上にストーリーが破綻してる、というか途中でブツッと切れてて、多分“月が近づいて世界が崩壊”云々、とかいうくだりはほんとはあとでもっといろいろ起こって壮大な話になる予定だったんだろうねー。でも長くなり過ぎちゃうからバッサリ切っちゃったと。
『千と千尋〜』あたりから顕著になってきた宮崎アニメにおける“物語の解体”は、ついに101分という上映時間の大半を幼女の生態描写に費やすという、究極の「幼女萌え」映画へと昇華された。
ミヤザキさんにはこれからもキケンな香りのする映画を作り続けて欲しいです。だからまだ逝かないでください。
地上波放映時のTwitterのつぶやき
宗介が両親のことを名前で呼ぶのは、宗介やポニョが「ポニョ、宗介好き!」「僕もポニョのことが好き!」と名前で呼び合うことと関係があるのかな。名前で呼ぶことでお父さんお母さんやパパママとは違う、一対一の関係を意識する。幼い子どもも赤ちゃんも施設のおばあちゃんたちも大人もみんな人間。
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2017年9月22日
この世界はもしかしたら眠ってるヒロインが見た“夢”なのかもしれない、というのは、『ビューティフル・ドリーマー』や押井守のいくつかの作品を連想させる。
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2017年9月22日
登場人物の刈り上げ率が異常に高い「ポニョ」。 #崖の上のポニョ #金曜ロードSHOW
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2017年9月22日
子どもにとって「キライ」なトンネル、というの、とても懐かしい感覚。 #崖の上のポニョ #金曜ロードSHOW
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2017年9月22日
大橋のぞみちゃんは元気にやってるだろうか。
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2017年9月22日
宮崎アニメ・メドレー
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