愛知県一宮(いちのみや)市の一宮市三岸節子記念美術館(1998年建設)で4/16(土)からやっている展示「カラリストの世界」を観てきました。
一宮市出身の洋画家・三岸節子(1905-1999)さんの個人美術館。
「自画像」1925(大正14)
展示スペースはそんなに広くはないけれど、入場料は320円で、建物はゆったりしていて、地元のかただろう年配の女性たちがコーヒーを飲みながら歓談していました。憩いの場になっているのかな。
三岸節子さんの絵は写実的というよりはマティスなどフォーヴィスム(野獣派)の影響を受けたデフォルメされた絵で大きめの作品が多く、風景画も静物画も大胆に省略されていて結構前衛寄りなんだけど、でも色使いにこだわりがあるようで(ご本人は自身のことを“色彩画家(カラリスト)”と称されていたそうで)、館内にあった図録をパラパラと見てみると、絵が手前に浮き上がって見えるようなインパクトがある。抽象画じゃなくてあくまでも具象画なのがわかる。
「花」1951(昭和26)頃
「小さな町(アンダルシア)」1987(昭和62)
建物のとなりには土蔵があって、そこで三岸節子さんの生い立ちについても解説されていました。夫は同じく洋画家の三岸好太郎(東京・上鷺宮に今も残る彼のアトリエはお孫さんが管理されていてレンタルスペースとして使われているのだとか)。
高校卒業後、洋画家を志して上京、19歳で結婚して、戦前に夫を亡くしてから晩年までずっと絵を描き続けた日本の女性の洋画家のパイオニア。
日本の画家って全然知らないから、こういう人がいたんだ、ってことを知るとなかなか面白い。
館内の一番奥にあるカフェで300円のホットコーヒーと140円の「尾西金蝶堂」のパウンドケーキを。安くておいしい。
風が強かったけど、天気が良くて日差しが暑かった。一宮まではめったに行くことがないので、貴重な一日でした。