映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

※2019年の“はてなダイアリー”終了に伴い、2018年9月にブログを移行しました。

『ターミネーター4』


※以下は、2009年の劇場公開時に書いた感想に一部加筆したものです。


I'll be back.

ってなわけで早速、噂の『T4』こと『ターミネーター:サルベーション』(監督:マックG)を観てまいりました。過去の作品を振り返りながらネタバレしつつ感想述べます(シリーズ最新作『新起動/ジェニシス』→感想はこちらのネタバレもあります)のでご注意ください。


昨年(2008年)の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の時はそのトンデモ映画ぶりに思わず「な~ぜだぁ!!」と激高してしまったんだけど(今となってはもう宇宙人が出ようが恐竜が出ようがどーでもいいや、って気分ですが)今回のターミネーターの場合はすでに前作T3でミソつけちゃった感があるのと、観た人の「あーあ」な感想を前もって読んでたこともあって、まぁそれなりに覚悟して、ある程度醒めた目で臨んだんでダメージは最小限に…ってゆーと、「えっ、つまんないの?」と言われちゃいそうだけど、これはほんとに観る人によりけりだから。*1

生みの親であるジェームズ“アバター”キャメロン自身が「『ターミネーター』でやりたかったことは2で全部やったから、これ以上続篇を作る気はない」と語っていたように、残された数々の伏線も敢えて描かずに観客の想像に委ねる、という美学もあるけれど、やっちまったもんはしかたないということで。

でもスター・ウォーズやインディ同様、一部のファンとかマニアに限らずこれだけあーだこーだと賛否両論巻き起こすのも、もう20年近く前に作られた2作目『ジャッジメント・デイ』がいまだに多くの人たちにとって記憶に残る作品だったからで、当時はグラサンかけて「アイル・ビー・バック」とか「アスタラビスタ・ベイビー」を連呼する、全然似てない“なんちゃってシュワちゃん”が世界中に掃いて棄てるほどいた。

www.youtube.com

当時、2を映画館で観終わったその帰り道。一緒に行った友人が「俺は1作目の方が好きだな」と言ってて、僕は見事に大作化したあの続篇におおいに満足してたんでフ〜ンと聞いてたんだけど、彼の言い分としては「だってこれCGがスゴいだけじゃん。1作目は低予算だけどSFやアクションとしてよくできてたよ」とのこと。

僕も1は観てたけどリアルタイムでじゃないし、強い思い入れがあるわけでもないのでその辺はよくわかんなかったけど、なんか「大人」な意見だなー、と思った記憶があります。

でも実際「『ターミネーター』が好き」って言ってる人の多くは(僕もですが)やっぱり2であらためて注目したんだろうと思う。『エイリアン』を同じくジェームズ・キャメロン監督による2作目で知った人が大勢いるように。

今では多くの人たちの耳に馴染みがあるターミネーターのあのテーマ曲も、2作目のヴァージョンのものだし(1作目のいかにも80年代を思わせるシンセによるオリジナル曲のシンプルな音も個人的には好きですが)。

www.youtube.com

ちなみに、僕は「ランボー」もキャメロンが脚本を担当した2作目『怒りの脱出』から観ました。どんだけパート2が好きなんだって話ですが、80年代前半、まだ“キング・オブ・ザ・ワールド”(自称)になる前のJ・キャメロンは、「巨匠なんてカンケーねぇ」とばかりにただただ面白さを追求してガンガンいってたんですね。

機械が人間に反乱を起こして最終戦争が勃発するという、今となってはかなり陳腐なアイディア(『マトリックス』もそうだったけど)も、1作目(1984年)当時は冷戦時代の核の恐怖としてまだストレートに描くことができたけど、東西の雪解けが進みつつあった90年代初頭に作られた2で、ムキムキになってヒステリックにわめき散らすサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンには、息子役のエドワード・ファーロングでなくてもちょっとヒキました。

時代的にも、核戦争で人類が滅亡、という終末観はだいぶリアリティが薄れてきてて(いまだに信じてらっしゃるかたがたもいますが)設定としてはギリギリだった気がする。

もっともその後キャメロンさんは『トゥルーライズ』で『インディ4』に先駆けて核爆発をギャグとして描いてシュワちゃんはじめ主要キャラを思いっきり被爆させてたぐらいだから、どこまでマジメに人類の行く末を案じてたのか疑わしいけど。

たとえ顔が変わっちゃってても、ブクブクに太ってたとしてもジョン・コナー役はエドワード・ファーロングで観たかった、という人たちも今なおいたり、僕なんかは『ウォンテッド』のジェームズ・マカヴォイがファーロングの面影があっていいんじゃないか、などと思ったりしてたんですが、歴戦の“勇士”に成長したジョンのキャラクターに説得力を持たせるにはクリスチャン・ベイルの起用は正解だったんじゃないかと。


猿サル言われた3の人とはキャラクターがずいぶん変わっちゃいましたが。

それにしても3作目『ライズ・オブ・マシーンズ』(2003年作品。監督:ジョナサン・モストウ)でジョンを演じて世界中から袋叩きにされてしまったあの俳優さん(名前忘れちゃったけど)、他人事ながらつくづく気の毒。あれは必ずしも役者だけの責任じゃないと思うんだけど。僕はあの作品、実はそんなに嫌いじゃないんですよね。

www.youtube.com

敵の親玉スカイネットが『マトリックス レボリューションズ』や『イーグル・アイ』に登場したようなでっかい機械の塊じゃなくて、中枢が存在しない全世界に広がるコンピューターウイルスだった、というオチは目新しくはないけれど納得のいくものでした。

ただクリスタナ・ローケン演じる最新型のターミネーター、T-Xが2作目のT-1000(ロバート・パトリック)より弱っちく見えてしまったのが何より不満で。腕から火吹いたりすんのはいいけど、何にでも変形できる液体金属製だったT-1000(ウリナリの番組や「新春かくし芸大会」でカトちゃんがモノマネしてたのも今は昔)の次が骨格のあるモデルってのは順序が違うんじゃないの、と。

ローケン嬢は全裸で街なかを闊歩したり便器ぶち割ったりして奮闘してくれてましたが。まぁ、あの映画で見るべきところって彼女のシーンぐらいだったわけだけど。


で、ようやく今回の『ターミネーター4』。2009年作品。

出演:クリスチャン・ベイルサム・ワーシントンアントン・イェルチンムーン・ブラッドグッドジェイダグレイス・ベリーブライス・ダラス・ハワードコモンマイケル・アイアンサイドヘレナ・ボナム・カーター他。

www.youtube.com

スカイネットによって核攻撃を受けたあとの荒廃した世界。抵抗軍の部隊長ジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)は、人々に放送で機械軍への決起を呼びかけながら父親であるカイル・リースをさがしていた。


マトリックス3』以上『トランスフォーマー』未満みたいな巨大ロボ“ハーヴェスター”の場面とかところどころ合成の粗が気になるVFXなど文句言おうと思えばいくらでも言えるんだけど(バイク型の“モト・ターミネーター”はカッコ良かったけど)、何より登場人物たちの描写が散漫で主人公が誰だかよくわかんないのが観ててツラい。


なんだか「ターミネーター」シリーズのスピンオフ作品みたいで。

アバター』(感想はこちら)のサム・ワーシントン*2が演じるあの人間と機械の“ハイブリッド”なお兄さん、マーカスの活躍は、本来クリスチャン・ベイル=ジョン・コナーが受け持つべき役割でしょ。


そして文字通り「ででんでんででん」とそのまんま擬音付きで姿を現わす若かりし頃の現カリフォルニア州知事*3(CG)には失笑してしまいました。

イヤイヤイヤ、もうちょっとマシな登場のさせ方があるんじゃねーかと。盛り上がるとこなのに観客をコケさせてどーすんだ。2の予告篇で量産されてたT-800シュワちゃん)のカッコ良さはどこへ、といった感じで。

結局コキおろしちゃうんだけど、これ新シリーズの一発目*4にすんのはキツいなぁ、というのが正直な感想です。これでまた出演者変わっちゃったりしたら収拾つかないな。*5

そんなわけで僕の感想は以上ですが、さらなる続篇を期待しながら胸を躍らせて劇場をあとにするか、「もう戻ってくんな!」と思うかはあなた次第。我々の戦いはまだ終わらないのであった。ででんでんででん!To be continued...


以上は、2009年に劇場で観たあとに書いた感想です。

1〜3作目までとは映像の質感が打って変わって、灰色や緑がかった、ちょうど戦争映画のようなざらついた画面、そして現代部分が一切なく核攻撃や戦闘により荒廃した近未来のみが舞台という、要するにこれまで断片的に描かれてきたスカイネットに支配された世界が初めて全篇に渡って描かれる。

そしてシュワちゃんが出ない(CGでワンシーンのみの出演)。

また、これはそれまで「ターミネーター」シリーズに特殊メイクでかかわってきた特撮界の重鎮スタン・ウィンストンの遺作(2008年没)でもあった。

主人公は一応クリスチャン・ベイル演じるジョン・コナーだけど、おそらく監督のマックGはほんとはサム・ワーシントンが演じたマーカスこそ真の主人公として描きたかったんだろう。

映画館で観た時、このマーカスの存在に物凄い違和感があったことを覚えている。

映画「ターミネーター」シリーズって、金属の骨格を持ち生体組織の皮膚を被った、表情の変化に乏しく感情がないロボットが無骨に暴れまくるのが魅力の作品群だったはずで、マーカスはあまりにも人間的過ぎてこのシリーズの世界観に馴染んでいないように感じたから。*6

まったく別の映画を観ているようだった。

このように異例尽くしだったこの作品は案の定評判が芳しくなかったようで、製作会社の倒産などもあってシリーズ化はポシャってしまった。

そのためマーカス君は、この1作でもってデリートされちゃいました。ご愁傷様。

また、4の公開前は「3はなかったことに」とか書かれてたけど、3でクレア・デインズが演じてたジョンのかみさんケイトは顔がブライス・ダラス・ハワードに変わって再登場してたんで、一応話はつながっていた。ところが、ジョンとの子どもを宿していた彼女はさらなる5作目『ターミネーター:新起動/ジェニシス』で残酷にも存在自体を“ターミネイト”されてしまった。


さらに、クリスチャン・ベイルも役に没頭するあまりスタッフに暴言を吐いて問題になったぐらい入れ込んだにもかかわらず、ジョン・コナー役はこの1作限りで降板。

クリスチャン・ベイル、ブチギレ事件。おっかない人だな。


そんな感じで、ちょうど「エイリアン」シリーズのようにこの「ターミネーター」シリーズも回を重ねるごとに混迷を極めて最新作では再びシュワちゃんが主役に返り咲き、過去作のオマージュを散りばめて主要な舞台もまた現代(2017年)に戻った。

4作目の時と同様に、3部作を予定しているらしい。

ストーリー上、ジェームズ・キャメロンが作り上げた1作目や2作目さえも含めた過去作を根こそぎ「なかったこと」にしてしまった5作目に対しては憤慨する人もいるし、作品の評価もなかなか厳しいものがあるようだ。

でも、やっぱりターミネーターは現代を舞台にしなきゃね。

果たして新しい3部作は予定通り作られるのか?それともこの4作目と同じ運命を歩むのか…。未来は誰にもわからない。*7


関連記事
『ターミネーター2 3D』

にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

*1:ローランド・エメリッヒの『GODZILLA ゴジラ』と同様、タイトルに“ターミネーター”と冠されていなければSFアクション映画として普通に面白いし好き、という人は今もいる。

*2:ひと頃スゲェ映画に出てたけど、最近見ませんね。

*3:2009年当時。

*4:同じキャスト・スタッフで3部作になる予定だった。

*5:出演者思いっきり変わりました。もう収拾がつきません。

*6:でも、最新作の5作目ではまるでマーカスのように人間と機械のハイブリッドのようなキャラクターが登場する。

*7:追記:残念ながら恐れていた通り世界的にコケたために、続篇の企画は流れたようです(;^_^A