
ゴールデンウィークに名古屋・覚王山にある古川美術館・分館「爲三郎記念館」に行ってきました。
またまた映画の感想ではないですが、ちょっとだけ“映画”とは関係があります。
古川爲三郎さんというのはかつてあったヘラルドグループの創業者で、日本ヘラルド映画(現・KADOKAWA)も彼が作った会社。
地元・名古屋の名士だった彼のコレクションが収められているのが古川美術館で、その分館である爲三郎記念館は爲三郎さんが生前住んでいた邸宅。
その中にあるカフェが「数寄屋 de Café」。数寄屋造りの家なのでそう名付けられています。
あいにく時間の都合で美術館の方には立ち寄らなかったんですが、ちなみにカフェを利用するには共通入館券か爲三郎記念館の単館入館券が必要です。






こういう古風な家は空襲で焼けたり取り壊されたりして今は名古屋ではなかなか残っていないので貴重だし、今後も保存していくためにもこうやって開放して利用するのはいいことですね。
日本間には秋の稲穂の実りを和紙で表現した屏風(山内一生「みのり」)や故人の所有物であろう食器やさまざまな調度品も展示されていました。
庭には小川が造ってあって、茶室があります。
お茶会なども開かれているようで、着物姿の女性たちもいらっしゃいました。


売店には茶道の道具や、恵那川上屋のおみやげのサブレ「爲さぶれー」(笑)が売ってました。
カフェではお抹茶と季節の上生菓子(この日は「菖蒲(しょうぶ)」)をいただきました(料金¥1000)。
GWの真っ只中でしたが建物の中は落ち着いた雰囲気で、お客さんのほとんどは女性。男性は僕も含めてほんとにごくわずか。
美術館もこの記念館も住宅地の中にあって、この地域自体が文化的な匂いがした。
またいつか、美術館の方にも足を運びたいと思います。
ヘラルドグループはもう20年以上前に解体していますが、伏見にあったヘラルドシネプラザ(旧・中日シネラマ会館)や、そんなに行ったことはなかったけれど幼い頃から店名に馴染みがあった喫茶洋菓子店のベルヘラルド(マネの絵「笛を吹く少年」がトレードマークだった。ヘラルドが倒産した現在もアイスクリーム会社がそのロゴやブランド名を受け継いでいる)は自分にとっては懐かしく、知らないうちになくなっていたのがなんとも寂しい。80~90年代や2000年代に観た何本もの映画はここが配給していました。
現在のKADOKAWAの前の社名だった角川ヘラルドの時にチャップリンの映画の権利を買ったんですね。なので現在もチャップリンの映画は日本ではKADOKAWAが配給している。
古川爲三郎さんは戦前から映画館を経営したり名古屋の映画業界で活躍していたかたで有名な富豪だったんだけど、90年代にバブルの崩壊のあとにゴルフ場の建設で大損害を被ってそれが原因でヘラルドは潰れたのだそうで。かつては大手配給会社の一つだったんですが、なんとも残念です。
ヘラルドが経営していた名古屋の映画館(毎日ホール劇場・毎日地下劇場、ヘラルドシネプラザ、ゴールド劇場・シルバー劇場、今池国際劇場・国際シネマ)は僕も行ったことがあったし、それらはもうすでにないけれど、僕の想い出の中で今もスクリーンの古いフィルムのように瞬いている。

