マイケル・ベイ監督、ブルース・ウィリス、リヴ・タイラー、ベン・アフレック、ウィル・パットン、スティーヴ・ブシェミ、ウィリアム・フィクナー、マイケル・クラーク・ダンカン、オーウェン・ウィルソン、ピーター・ストーメア、ジェイソン・アイザックス、キース・デイヴィッド、ビリー・ボブ・ソーントンほか出演の『アルマゲドン』。1998年作品。
日本語字幕は戸田奈津子御大。
小惑星の地球への衝突が迫る中、ハリー・スタンパー(ブルース・ウィリス)をはじめとする石油採掘のプロたちが、スペースシャトルで運んだ核兵器を小惑星の地中240メートルの深さで爆発させて2つに分裂させ、地球への落下を阻止するミッションに挑む。
「午前十時の映画祭12」で鑑賞。
1998年の劇場初公開時に観ました。150分という上映時間は、あの当時のエンタメ映画としてはなかなかの長さだったと思う。
エアロスミスによる主題歌は今となっては『タイタニック』の主題歌並みにベタだけど、大ヒットしてそこら中で流れていたし、もはやスタンダードナンバーになってますね。
なんだかんだ言っても、この曲を聞くと自動的に胸が熱くなる。
音楽を担当するのは僕はてっきりハンス・ジマーだとばかり思っていたんですが、トレヴァー・ラビンという人だった。でも、『トランスフォーマー』のスティーヴ・ジャブロンスキー同様にハンス・ジマーとはかかわりがあるようで。やっぱり。曲調が似てるんだよねw
「午前十時の映画祭12」ではちょっと前に『アポロ13』(感想はこちら)や『ライトスタッフ』(感想はこちら)など宇宙飛行士たちを描いた映画も上映されているから、同じカテゴリーの作品として選ばれたんでしょうが、この映画も初公開からもう24年経つし、ブルース・ウィリスさんの俳優引退(失語症のため、3月にご家族が表明)とも重なって感慨深いものが。
問題児のおっさんたちが地球を救う、というお話はユニークでその後もいろんなヴァリエーションでその手の作品が作られたし(もともとは戦争モノから来てるんでしょうが)、このあと2000年には今度はおじいちゃんたちが宇宙に行く『スペース カウボーイ』をクリント・イーストウッドが撮っています。
ヴェテランのプロフェッショナルたちが任務を果たす、そのことに美しさを見出す、という物語は人気があるよね。
『アルマゲドン』の前にはマイケル・ベイ監督はニコラス・ケイジとショーン・コネリー主演の『ザ・ロック』を撮っているし、このあとには『アルマゲドン』にも出演したベン・アフレックを主演に『パール・ハーバー』を撮っていて、どちらも観ました。
『アルマゲドン』はベン・アフレックとリヴ・タイラー演じる恋人たちのラヴストーリーが世界中のバカップルたちにこの映画を捧げていて、そこもウケた理由の一つなんだろうけど、マイケル・ベイはそれと同じノリで戦争映画『パール・ハーバー』を作ってなかなか酷い代物に仕上がっていた(何が酷いのかはここでいちいち説明はしませんが)。
あの映画も「ゼロ戦の戦闘場面がかっこよかった」と褒めてる人もいるので、同じ映画を観ていても感じ方はほんとに人それぞれだな、と思いますが。
『アルマゲドン』の特徴として、人類の存亡にかかわる深刻な事態なのにどこか軽いというか、必ず途中にふざけた場面を挟んでくるんですよね。スティーヴ・ブシェミ演じる“ロックハウンド”の存在もそうだけど。監督も思いっきり顔出しで出てたし。
去年に観た『ドント・ルック・アップ』では明らかにこの映画がパロられていて、劇中でクリス・エヴァンス演じる映画スターがアホっぽいディザスタームーヴィーの宣伝をしていた。『アルマゲドン』は、頭がよくない映画の代名詞のような扱いなんだなw
まぁ、実際、この映画のベン・アフレックは見事なまでにアホっぽいし。


そういえば、ベン・アフレック演じる“AJ”はラストでリヴ・タイラー演じるグレースと結ばれるけど、アフレック本人も長年付き合ったり別れたりしていたジェニファー・ロペス(ひと頃はバカップルの代表格みたいな扱いをされていた)と結婚したんですよね。おめでとう!
『グリーンマイル』でも有名なマイケル・クラーク・ダンカンは惜しくも2012年に亡くなってますが、ベン・アフレックとは『デアデビル』でも共演してますね。インパクトがあってユーモラスでイイ声の持ち主と、なんとも得難い俳優さんだったのに本当に残念です。
宇宙飛行士になりたかったが技術部に勤めることになったトルーマン役のビリー・ボブ・ソーントンは僕は最近ご無沙汰ですが、現在公開中の『グレイマン』(感想はこちら)にも出てるそうなので観るのを楽しみにしています。
リヴ・タイラーも僕は彼女の出演作は2011年の『スーパー!』(感想はこちら)以来観ていないんだけど、『アルマゲドン』の時の彼女はさすが綺麗でキュートですね。
感想というよりも昔観た映画の懐古というか思い出話になっていますが、この映画の翌年には『スター・ウォーズ ファントム・メナス』や『マトリックス』(感想はこちら)が公開されたし、その年には僕は上京してその後何年かいろいろあったので、その直前に地元の映画館で観た作品として記憶しています。その映画館ももう今はない。
クライマックスで、これまで観たブルース・ウィリスの映画のさまざまな場面が走馬灯のように頭の中で流れて、不覚にも目頭が熱くなった。
…いや、ブルース・ウィリスさんはまだご健在ですが。
『アルマゲドン』で、ブルース・ウィリスが「自分の頭で考えずに16万キロ離れた奴らに忠誠を誓うのか?あいつらはお前を救ってはくれない」という台詞があって、マイケル・ベイ、今の日本のこと言ってんじゃないかと思った。
— ei-gataro (@chubow_deppoo) 2022年7月23日
映画館でブルース・ウィリス映画特集やってくれないかなぁ。
『アルマゲドン』の頃って、マイケル・ベイとローランド・エメリッヒの区別が一番つけづらかった時期で、エメリッヒは96年に『インデペンデンス・デイ』、98年には『GODZILLA』を撮っている。
『アルマゲドン』の初めの方でゴジラのオモチャが出てくるし(ついでに松田聖子も)、紛らわしいんだよね(笑)
僕はお二人の監督作品は最近は観ていないけれど、マイケル・ベイは相変わらず車が吹っ飛ぶ映画(『アンビュラス』)を撮っているし、エメリッヒもAmazonプライム限定配信で飽きもせずにディザスタームーヴィー(『ムーンフォール』)を撮ってるし、30年近く経っても変わらないってのはそれはそれで偉大ではある。
バカにしたような書き方をしていますが、エメリッヒはともかく、マイケル・ベイが2007年に撮った『トランスフォーマー』の1作目を劇場で初めて目にした時には僕は本気で涙ぐんだし、この『アルマゲドン』も普通に好きでしたよ。
両監督の映画を今後僕が観ることがあるかどうかはわかりませんが、90年代から2000年代にかけて、確かに彼らの映画は世の中を席巻していた。
ちょっとした懐かしさとともに、それらの映画を観返してみるのもいいものですね。
関連記事
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』
『ミスター・ガラス』
『LOOPER/ルーパー』
『ムーンライズ・キングダム』
『エクスペンダブルズ2』
『ザ・コンサルタント』
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
『エリジウム』
『遊星からの物体X』