映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

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「カムカムエヴリバディ」その2

前の記事からだいぶ間が開きましたが、NHK連続テレビ小説カムカムエヴリバディ」を毎朝観ています。

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あれからお話はどんどん進み、舞台も戦争の時代から戦後~60年代、そしてさらに…という具合に三人のヒロインが順番に移り変わりつつありますが、どうやらドラマの終了日は4月8日と決まったようで、「おちょやん」よりも短い約五ヵ月間の放送ということになりますね。駆け足なのはそのせいもある。コロナ禍でズレた放送日程を調整するためとはいえ、なんでBK(大阪放送局)作品ばかりがその煽りを受けなければならないのか*1納得できないんですが。

そのため時代の飛び方はかなり早くて、10年ぐらい一気に過ぎてしまう。ぼぉっと観てるとついていけなくなる。

正直なところ、最初のヒロインである“安子”(上白石萌音)の、まわりに流されながらそのわりには周囲の人々と本当に打ち解けることなくなんでも自分一人の判断で突き進んでいく姿にどうもずっと違和感があったこともあって完全にノることができず、娘のるいとの別れももっとマシな選択肢があったのではないか、と疑問が拭えなくて、「スカーレット」や「おちょやん」ほどには夢中になれないまま観続けている状態でした。

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それは時代がくだって娘の“るい”(深津絵里)がヒロインになってからも変わらず、トランペッターの錠一郎(オダギリジョー)の病気とそのために自殺まで図った彼を「守り」、ともに家庭を築いたるいの「強さ」にもどこか感情移入できないまま、さらに今度は彼女の娘“ひなた”がヒロインになろうとしています。

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ひなたは母るいや祖母の安子(ひなたは安子のことを知らないのだが)と違って「ちびまる子ちゃん」的なおてんば娘で、ようやく僕は朝ドラヒロインっぽい彼女に興味が湧いてきたのでした。

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ドラマの作り手が、祖母と母、そして娘の性格や生き方、その描き方を意図的に変えているのがわかったから面白みは感じてきたし、時代が平成まで続くのは彼女たちの人生が「今」とは無関係ではないことを示しているのでしょう。

その異なる時代を生きたそれぞれ個性の違う女性たちが血の繋がり、家族の絆によって何かを継承したり断ち切ったり新しく生み出していく、そういう姿を通して市井の人々の近現代史が紡がれていく。

時間的な制約もあるから一人一人の登場人物はそんなに掘り下げられないけれど、アルバムをパラパラめくっていくような疾走感がある。

顔がそっくり(演じてる役者が同じw)な親子や、ひなたの祖母や母とゆかりがあった人々が再登場する。ひなたにはわからないが、ドラマを最初からずっと観てきた視聴者は「あっ、あの人がまた!」と思わず懐かしい気持ちになる。

去年の11月1日から始まったこの「カムカムエヴリバディ」は放送開始から三ヵ月が過ぎて後半に入ろうとしていますが、安子はるいが少女時代に別れて以来、音沙汰がないし、ひなたも祖母に会ったことがないし母と祖母との間の事情も知らないから、それぞれ微妙に距離があった彼女たちの人生がこれからさらに手繰られ、縒(よ)り合わされていくのでしょうね。

理解できなかったこと、怒りや悲しみで心の奥に隠していたこと、それらが再び露わになって、和解につながっていくのだろうか。

「おちょやん」では怒号と涙とともに許しと和解が描かれていたけれど、「カムカムエヴリバディ」は安子も、るいも、ひなたも、けっしてわかりやすい過ちを犯すわけではなくて、でも一人の生きている人間だからこそ貫くものもある。そのことを、声高にではなくて彼女たちの一見平凡な日常を通して語ろうとしているのかもしれませんね。

人の人生は「正しい」かどうかだけではない、ということ。

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さて、来週からは、ひなた役も子役の新津ちせさんから川栄李奈さんに。
川栄さんはすでに朝ドラは「とと姉ちゃん」にも出演しているし大河ドラマにも出ていてNHKでもおなじみの人ですが、「カムカムエヴリバディ」って大河ドラマの手法で朝ドラを作ったとも言えて、三人目のトリを務めるヒロインを川栄さんが演じるのも(彼女は安子役の上白石萌音さんと同様、オーディションで選ばれたのですが)満を持して、といった感がありますね。

成長したひなたのドラマではどのような出来事が待っているのか、そして母るいと祖母安子の再会はあるのか。

後半も楽しみです(^_-)-☆


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*1:前作「おかえりモネ」と次回作「ちむどんどん」(予定)よりも8話分も少ない。「おちょやん」も全115話で5話分少なかった。