映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

タバコからラムネへ

数年前までタバコを吸っていました。

高校生の時、部活の一つ上の先輩がよくタバコを吸ってて、時には副顧問の先生と一緒に一服してることもあった。

今じゃ信じられないことだし当時だって誰かに見つかったら停学になっただろうけど、それにしてもおおらかというかアバウトな時代だった。

僕はというと、普段は吸わないのにある時カッコつけてこっそり吸ってたら後輩に見られたんで「内緒な」と言うと、彼は僕の吸ったまだ長いままのタバコの吸殻を見て「もったいない吸い方しますね」と呟いたのだった。彼はいつも吸ってるようだった。

完全にバカにされていた。

結局、僕はその後もしばらくはタバコを吸うことはなかった。

あの年頃に喫煙するようになる人ってだいたい形なら入って、よーするになんかちょっとカッコつけに吸い始めているように思う。

そういう「みんなが吸ってるから」っていう連れション根性が嫌いなんで高校卒業してからもまわりの人から「タバコ吸わないの?」と聞かれても*1頑なに吸わなかった。

それが就職してしばらくしてから吸いだすように。

タバコ吸うのがカッコイイから、などではなく、必要に迫られてだった。

仕事でいろいろとストレスを感じていて、ある時思い立って気晴らしに自販機で買って(確かマルボロだったと思う)仕事の休憩時間に吸ってみたところ、全身の毛穴がひらいて総毛立ったような快感に襲われて、それから休憩時間には必ず吸うように。

でもマルボロは僕にはキツ過ぎて何本も続けて吸うと気分が悪くなってしまうので、なるべく軽い奴をと思い、マイルドセブン→ライト→スーパーライトあたりに落ち着いた。

そのうち最初に感じた体中の毛が逆立つような快感は薄れて、もっぱら喫煙は口寂しさの解消のためになっていった。

本数は次第に増えて、朝起きて一服、メシ食って一服、出かける前に一服、職場に着いたら一服、休憩時間に一服、酒飲んで一服、寝る前に一服。スモーキン・ブギ状態(わっかるっかなー?)

働いてる時以外はほとんど吸ってるチェーンスモーカー状態に。

部屋の中でもバカバカ吸ってたからアパートの壁はヤニで黄色くなって、服にも身体にもタバコのニオイが染み付いた。

そんな生活を10年ちょっと続けて、ある日突然僕はタバコをやめた。

自分が1年間にタバコに費やす金が10万近いことがわかったから。

それまでにも何度もやめようと禁煙パイポとかニコレットとか買っては試したけど、3日ともたずに堪えきれなくて再び吸い始めてしまっていた。

禁煙グッズは僕にはタバコの代わりにはならなかった。

でも前の仕事を辞めてから収入が少なくて、金がないんだからしかたなくやめることにした。

最初は一週間、やがて一ヵ月、三ヵ月、半年、その間禁煙パイポの類いは一切口にしなかった。

何ヵ月もよくタバコを吸う夢を見た。

せっかくやめたのにふと気づくと何気なくタバコに火をつけていて、「あぁ!!吸っちまった!!!」と慌てたところで目が覚めて、タバコやライターはすでに身近にはないことを思いだしたりした。

やがてそういう「悪夢」も見なくなり、完璧に断煙。

今では友人たち以外、まわりの人たちは誰も僕がかつて喫煙者だったとは知らない。

依存心が強く意志の弱い僕に何故それが可能だったかというと、ある時から自分に暗示をかけたのだ。

これまでの思いだしたくもない嫌な記憶、殺したいぐらい憎んでる人間、そういったものを「タバコ」というものに押し込めたのだった。

そうすることで、いつしかタバコのことを考えたり、そのニオイを嗅いだりすると自然と「パブロフの犬」のように不快な気分になるようになった。

我慢するのではなく、「タバコ」というものに自分にとって忌むべきものたちを象徴させた。

おかげでタバコを吸いたい、という欲求が消えた。

今では、この世からタバコなどというものが消え失せればいいとすら思う。

路上喫煙してる輩やラーメン屋で食事している俺の隣でタバコ吸う奴らは死ねばいいと思っている。

かつての自分を棚に置きまくってますが。

今でこそわかる、他人にかけてきた迷惑を申し訳なく思っています。


さて、タバコがやめられたのは結構なのだが、その代わり困ったことに酒の量が飛躍的に増えて、もともと飲めなかった酒を毎晩かっくらうようになった。

単純にタバコが担っていた「口寂しさ」の解消を酒が代わりに受け継いだってこと。

さすがに昼間や仕事の合間に飲むことはないが、数年のうちにみるみる肥え太り、赤ちゃんがいそうなぐらいのボテ腹になった。

肺がんのリスクが減った代わりに肝臓ヤラれて死ぬリスクは高まったわけだ。アホだな。

そして最近、スーパーでたまたま買ったラムネ菓子にハマっている。

青いプラスチックの容器に入った昔ながらの、あのラムネです。

毎日のように買ってきてはポリポリ噛んで、ラムネの味が舌の中で溶けて染み通るのを楽しんでいる。

タバコや酒に比べればはるかに害のない食べ物だが、ラムネの菓子に1年で10万使わないか、今はそれだけが心配だ。


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*1:今と比べて喫煙者はかなり多く、世間でも大幅に許容されていた。