※以下は、2010年に書いた感想です。
入江悠監督『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』。
ワック!ワック!B-hack
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グンマ県。高校時代にラップブループ“B-hack”でヒップホップをやっていたメンバー、アユム(山田真歩)やミッツー(安藤サクラ)は、いまはそれぞれ実家で働いている。日々の生活に追われる自分をチェンジさせたくて、アユムは元メンバーたちとともに一晩だけのライヴを計画する。
ネタバレちょいあり。
今回はサイタマならぬ、グンマノラッパー。
そして主役は女の子たち!
地元でくすぶってる女の子たちが、高校生の時みたいにもう一回ステージでラップをやりたい!と奮闘する。
主人公のアユムを演じる山田真歩は初めて観る女優さんですが(※その後、映画版『モテキ』に出演してた*1)…、なんかイイっスね!
時々顔が椿鬼奴に見える瞬間があるが…。おかっぱ頭がなんともカワイイ。
だんだん不機嫌な虻ちゃんみたいなご面相になってきてる安藤サクラのやたら貫禄がある姐さんぶり(「Yo~Yo~♪言ってて悪かったな」)も頼もしい。
基本、出てくる女の子たちはみんなそれなりに可愛いし主人公のポジティヴさは別に間違ってはいないので(ちゃんと働いてるし)、前作のようなガチなイタさよりもキュートなガールズ・ムーヴィーの雰囲気が濃厚。
水着シーンもありま~す(^o^)
ただまぁ、これがたとえば矢口史靖の映画なら、主人公たちはそのままトントン拍子に躍進していって最後に大成功をおさめる、ってなところだけれど、こちらはそうはならない。
たった一度ライヴがやりたい、ってだけのささやかな望みにもかかわらず。
そこが胸を打つし、苦くもある。
安藤サクラが親に逃げられて(って奥田瑛二か?^_^;)抱えることになる借金の2000万って金額が妙にリアル。
あと、先輩に向かって敬語でキレる後輩ってほんとヤだな。だったら普段からタメ語で話せよ、って感じ。
現実にはちょっとあり得ないだろうあのコント一歩手前の力技なラストシーンにも、前作の「もうやめて~」っていう痛さじゃなくて、「くるぞくるぞ」って感じでカタルシスをおぼえました。
このシリーズって、結局2本とも主人公たちの当初の目的はまったく達成されないまま映画は終わっちゃうんだよね。
そしてかならず主人公は「あんたは17歳の時のまま変わってない」と言われてしまう。
仲間たちはみんなそれぞれの問題を抱えててメンバーはバラバラになる。
そういった展開がルーティン化してしまうとつまらなくなってしまう可能性もあるけど、でも主人公たちが頑張って、その努力が実ってめでたしめでたし!ってゆーんじゃないタイプの映画があったっていい。
朝から晩まで毎日こんにゃく作って売ってる、そんな「チェンジしたい自分」をラップに乗せて歌うヒロインに父親の岩松了が言う「みんなそうやって生きてんだよ、座れ」って一言の説得力(『川の底からこんにちは』でもそうだったけど、この人の父親とかおじさん役はいつもリアルで可笑しい)。
この映画は癖になるなぁ。
さて映画に夢中になって、これでヒップホップに興味持ったかというと…スイマセン、特には。
でもエンディングの曲は可愛かったよ、シュッ、シュッ、シュッ♪
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