映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

『チョコレート・ファイター』


※以下は2009年に書いた感想に一部加筆したものです。


プラッチャヤー・ピンゲーオ監督、“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン主演の『チョコレート・ファイター』。2008年作品。日本公開2009年。

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日本のヤクザとタイ人女性とのあいだに生まれた少女が成長して、ギャングたち相手に格闘技を駆使して戦う。


トニー・ジャー(チャー)主演の『マッハ!!!!!!!!』を観た時、映画館で震えたのを憶えてます。ジャッキー・チェン以降の肉体アクションで鳥肌立つような感動をおぼえるとは思いもしなかったので驚いた。

そんなわけで、その次の『トム・ヤム・クン!』も劇場に駆けつけました。敵の骨をぶち折りまくる激痛アクションだったけど、似たようなことを前にジェット・リーがやってたのと、個人的にはキックや肘打ちなどの打撃系の方が爽快感があって好きだな、と。

トム・ヤム・クン!』(2005) 監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ 日本公開2006年
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でも『マッハ!!!!!!!!』は映画館やDVD、TV放映で繰り返し何度も観てきたんで、これももう一度観たい。

で、同じプラッチャヤー・ピンゲーオ監督の3年ぶりの新作ということで、日本での公開を昨年から首を長くして待ってました。

しかも今回は、格闘美少女好き、可愛い女の子に蹴られたい願望のあるM男には至福の作品ときている。主演は期待の新星“ジージャー”ことヤーニン・ウィサミタナン。ちょっと池脇千鶴似のキュートな顔立ち。

まぁ観終わったら蹴られるのは遠慮したくなるけど。


ジージャー嬢が演じるのは、「メチャメチャ強い障害児」というなかなかリスキーかつエキサイティングな役柄。

う~んと、ネタバレは別に…してないと思う。


冒頭から父親役・阿部寛の予期してなかったラヴシーン(と、物凄く無駄な尻出し。こっちに生ケツ向けて窓際に立ったあとカットが切り替わるタイミングが絶妙)が続いて、その結果生まれた主人公の生い立ちがしばらく描かれたりしてなかなかアクションが始まらないんだけど、成長したジージャーさん、覚醒して戦いだしたら止まらない。


ブルース・リーの『ドラゴン危機一発』に出てきたような製氷工場や、六平直政みたいな顔したオッサンがやってる異常にハエが多い食肉加工場などで、無数のタイ人のお兄さんたちが情け容赦なくぶちのめされることに。

当然のことなんだけど、この手の肉体アクション映画が、主役はもちろんのこと、いかに「やられ役」の人たちの奮闘に支えられているか、あらためて実感しました。

その昔、『サイクロンZ』でその他大勢の敵役の一人がジャッキーにぶっ飛ばされてそのままコンクリートの床に後頭部から落下してるの観て、子どもながらに「イヤイヤ、死ぬって」と思ったけど、なんかほんと、スゲェとしか言いようがないもの。

もちろんジャッキーもトニー・ジャーもそういう脇をかためる人たち以上に痛い目に遭ってるわけだけど。ジャッキーなんか何度も死にかけたし。


『チョコレート~』のエンドロールでも、首を怪我したスタントマンをジージャーさんがスタッフたちと病院までお見舞いに来てるとこが映ってたりして(ご本人も顔面に何度も蹴り食らったり全身傷だらけ)、命張って映画撮ってるのがビシバシ伝わってきます。

建物の側面を上下左右、縦横無尽な動きで見せていくラストバトルで、人がボンボン落ちて看板や地面に叩きつけられていく様にも感動。さすがにじかに落ちる人とかは体を守るワイヤーを着けてるんだろうけど(でなきゃ不死身だ)、いやぁ、ほんと痛そう。


最後の方なんか、もはや舞台がタイなのか日本なのかすらさだかでなくなってくるし、そもそも主人公のお母ちゃんがなんであんな大変なことになったんだかもよくわからない。いつのまにガンになったんだっけ?

ストーリーに関してはもういちいちツッコミ無用というか、あってないようなもので。

まさにあらたなアクションスターの見事な「体技」を堪能できればそれでオッケー。カポエィラやダンスみたいな動きで襲いかかってくるジャージ眼鏡のお兄さんとの、互いに身体をケイレンさせ合いながらの一戦もキケンな感じでナイス。

正しく「見世物映画」してる作品でした。

ジージャーさんの新作をスクリーンで観られる日を、また愉しみに待っていようと思います。できれば次回は普通に喋る明るい役がいいなぁ(『チョコレート・ソルジャー』につづく)。


チョコレート・ファイター』のアクション・リハーサル
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