ウィル・スペック、ジョシュ・ゴードン監督、ウィル・フェレル、ジョン・ヘダー主演の『俺たちフィギュアスケーター』。2007年公開。
フィギュアスケートの男子シングルで同点を取ってともに金メダルを獲得したにもかかわらず、乱闘をおこして追放されたふたりのスケーターが「男性ペア」を組んでリンクへ返り咲く。
製作はベン・スティラー。
レンタル屋でたまたま目についたんで。
ネタバレなし。
チャズ役のウィル・フェレルは、なぜか最近の主演作には「俺たち~」という題がついている(もちろん日本でだけ)。
昨年、マーク・ウォールバーグと共演の『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』が公開されてたけど、これまで主演作はけっこうな率で日本劇場未公開のDVDスルー扱いだった。
『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(2010) 監督:アダム・マッケイ 出演:エヴァ・メンデス サミュエル・L・ジャクソン ドウェイン・ジョンソン しかしヤケクソな邦題だな。
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この人の出てた『プロデューサーズ』でのナチ狂いの男役はなかなか印象に残ってるけど、なんというか日本でウケないのも無理はない、といった芸風の人。
「オースティン・パワーズ」シリーズでは毎回悲惨な目に遭う敵役を演じていた。
今回の映画でも「モテモテのワイルド系フィギュアスケーター」という、「お前がそんなわけあるか!!」と全力でツッコみたいキャラクター。
それにしてもあいかわらずヘンな顔してるよなぁ。
素顔は別に普通なのに映画のなかではなんでこんなに珍妙なご面相なんだか。
そして裸が汚い、汚すぎる(>_<)
一方、もうひとりの主人公ジミー役のジョン・ヘダーは『バス男』でいつも口が半開きのモルモン教徒の主人公を演じて一躍有名になったけど、今回もやっぱり口が終始半開きだった。
『バス男ナポレオン・ダイナマイト』(2004) 監督:ジャレッド・ヘス 出演:ティナ・マジョリーノ
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インタヴューのシーンで流暢な日本語の台詞をいってて「巧いなぁ」と思ったら、このヘダーさん、かつてモルモン教の宣教師として日本に来てたんだそうで。
『バス男』のキャラまんまだったのかよ^_^;
『バス男』はずいぶん前に観て以来なんでどんな映画だったか忘れちゃったけど、とにかくこの人のキャラだけは記憶に残っている。
あのヘンな踊りも。
そしてこの『フィギュアスケーター』でもやっぱり踊っている。
誰かに似てる、と思ったら、さんまの「ホンマでっか!?TV」のコメンテーターの門倉貴史にソックリなんだな。
喋り方やナヨナヨした感じも似てるし。
映画はサラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリが歌う「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」(『アマルフィ』のあの曲です)をバックにジミーが踊る姿ではじまるんだけど、なんかこの曲あらゆるところで使われ過ぎてて、もはや耳にした瞬間笑いがこみ上げてきてしまう。
まずこのジミーとチャズのふたりが金メダルを剥奪されて今後のフィギュアの試合に出場する資格を失う経緯がぜんぜんリアリティの欠けらもないので、当然ながら「これはバカ映画なんだ」と思って観てるわけだけど、全篇爆笑かというとそうでもなくて、ときどきクスクス笑わせてくれるといった感じ。
フィギュアって選手はみんなけっこう若いイメージがあるんだけど、この映画に出てくる選手たちがみんな(といっても主役のふたりのほかはライヴァルのペアがひと組いるだけだが)妙に歳食ってるのが可笑しい。
映画では史上初の「男性ペア」が誕生するのだが、そもそも男性ペアと男女のペアが同じ競技で順位を争ったりするもんなんだろうか。
あれだけ互いに毛嫌いしてたジミーとチャズが急に仲むつまじくなっちゃったり、ライヴァルであるウォルデンバーグ兄妹の末妹ケイティが兄と姉の云うなりになってチャズを誘惑したりとストーリーはテキトーにもほどがあるが、それでも強引に話はチャズがジミーとケイティの仲を取り持ち、試合への出場の妨害をされたふたりははたして間に合うかどうか、といった展開に。
ウォルデンバーグ兄妹の策謀によって、ケイティとチャズがベッドにいるところに鉢合わせしてしまったジミーの“おねぇ走り”に爆笑。
地味に着ぐるみが笑いを提供していた(火だるまになったりボーガン刺さったり)。
『26世紀青年』(感想はこちら)のルーク・ウィルソンがセックス・カウンセラー役でワンシーンだけ出演。
あと、フィギュアスケーターのナンシー・ケリガンやサーシャ・コーエンが本人役で出ている。
ケリガン、今でも綺麗だな〜。ってゆーか、出るか?こんな映画に^_^;
それにしても大技「鋼鉄の蓮」で失敗したら首ちょんぱ、って、これはフィギュアスケートというよりもう曲芸の域ではないか(;^_^A
この動画だけ観るとものすごい感動作に思えるから不思議(^o^) ちなみに劇中でもほんとに『アルマゲドン』の曲(Aerosmith「I Don`t Want To Miss a Thing」)で滑ります。
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フィギュアをリスペクトしてんだかコケにしてんのかわからんが。
ラストでふたりが滑る曲はQUEENの「フラッシュ・ゴードンのテーマ」。
これだけでそれまでのかったるい展開もすべて許せてしまう。
ほんとにこれといっていうこともない軽〜いコメディだったけど、こーゆー毒にも薬にもならない映画をたまに観るとなんか和む。
たしかに劇場での公開に二の足を踏んでしまうのもわからなくはないような微妙なコメディというのはアチラには多いけど、でもあえて題名は書かないが、シネコンでよくやってるまったく笑えない邦画のコメディよりはよっぽど面白いと思うけどな。
『アザー・ガイズ』もギャグは絶品らしいんで、そのうちDVD借りてこようと思います。きっととてもくだらないんだろう(^^)
あと、ジョン・ヘダーがダイアン・キートンやイーライ・ウォラックと共演した『ママ男』も観てみたいな。